
パッチワークキルトは私の趣味の一つ。
十数年前に娘が幼稚園に行き始めた頃、それまでただ好きで本を
見たりしてやってただけのパッチワークを基礎からきちんと学んで
みたくたった。
いろいろと教室を探した中で、私にビビッときたのは京都にある
高橋恵子パッチワークキルトスクール。
高橋先生は、コンテンポラリーキルト、いわゆる現代創作キルトを
得意とされる方で時折、NHKのおしゃれ工房にも登場される。
教えてくださるのは高橋先生ご本人ではないが、講師の先生方の
腕やセンスは抜群で、教え方も丁寧で分かりやすく素敵なキルトを
作られる方々だった。
そのスクールで本科、専科を終了し、そのまま研究科へと進んだ。
そして研究科を終えてさらに次のクラスに進もうかとも思ったが、
研究科の途中から、作品が完成しないまま次のレッスンに…
という状態になり作りかけのものが溜まってきていた。
研究科よりもさらに上のクラスに上がると、ほとんど毎回のように
作るものが大作になるので、このままでは間違いなく作りかけの
キルトに埋もれてしまうっ!と思い多少迷いもあったものの、教室に
通うのは研究科終了の時点で一旦区切りをつけた。
これはその教室に通ってた頃に作った〈カテドラルウインドウ〉。
私はキルトに限らず作ったものは惜しみなく使う主義なので、
これもFAXのカバーにしたりテレビに掛けたりして使ってきた。
でも、こうやって見るとさすがにかなり色褪せちゃったなぁ…。
だけど、これはまだきれいに形を留めているからいい方で、
クッションカバーやパフの座布団は、使い込みすぎてボロボロに
なり泣く泣く処分した。
クッションは2つあってソファーの上だけじゃなく、家族の誰かが
床にごろ~んと横になる時には枕となって、うたた寝のときの
よだれを受け止め(主に夫の…)、何度もの洗濯に耐え、気がついた
ときには2つともかなり可哀相な姿になっていた。
どちらも結構手を掛けた作品でお気に入りだったので、ボロボロに
なっていくクッションたちを眺め、二度とクッションカバーは作る
まいぞと心に決めたものだった…。
家族にそこまで使い込まれたんなら本望!と思うことにしてるけど。
あの時、スクールに通うのを終えて溜まったキルトをぜ~んぶ完成
させてからまた上のクラスに進もうと思っていたけれど、その時から
まだ日の目を見ていない、作りかけのキルトたちが眠ってる。
そう言えば教室に通ってる頃、少しご年配の方々が、「夜になると
目が見えなくなるから昼間じゃないと針仕事ができないのよねぇ、
いいわねぇ、まだお若い方たちはそんなことないから。」
とおっしっていた。
さて、そろそろ腰を上げてかわいいキルトたちを仕上げていかないと…
夜は針仕事が…っていうお年頃になる前に。
「ふふっ、そろそろ危ないんちゃうの?」って娘の声が聞こえてきそう
だけど。