それは先週有馬へ行く日の昼間のこと、出かける前に夫がレオを連れてお散歩に。
しばらくするとその夫の携帯から電話が入った。
衰弱した上にカラスに虐められて虫の息になっている子猫がいるので、連休の合間
だけど、動物病院が開いているかどうか連絡してみて欲しいとのこと。
早速電話してみたところ、その日は休診日だったものの、先生は継続治療中のコを
診るために病院におられ、状況を話すとすぐに連れて来てくださいということだった。
そこで折り返し夫に電話をしてその旨を伝え、ネコちゃんを包むタオルを持って私も
駐車場へと向かった。
行ってみるとそのネコちゃんは本当に文字通り虫の息で、夫がたまたま通った路地の
脇で前夜の雨で濡れていたトタンの上にいたらしく、体半分が濡れて抱き上げた体は
小さく冷たく、時折力なくミャーと弱々しい声を上げるだけ…。
とにかく急いで病院に連れて行こうと車に乗った途端、少し手を伸ばしてミャーと鳴いた
かと思うと、それっきりそれまでうっすらと開いていた目も閉じられ、どんなに呼びかけ
ても鳴きも動きもしなくなってしまった。
間に合わなかった…思わず泣き出す私だったけれど、夫がネコちゃんのお腹をさすり
ながら少し揺さぶると、手足とお腹がかすかに動き、まだわずかながら呼吸がある様子。
「まだ大丈夫、とにかく急ごう」という夫の声に気を取り直し、急いで病院へ…。
病院に着くと、先生はすぐにストーブで温めながら体温測定。
ところが、体温が低すぎて測定さえできない…。
「35度以上になればなんとか自力で体温を上げられるけれども…少なくとも最低体温の
33度はないと、助けてあげるのは難しいかも…。
でも、子猫は衰弱も早いけど回復も早いので奇跡的に助かる可能性もありますから。」
その言葉と、細すぎてなかなか入らなかった血管に点滴して、懸命に治療してくださる
先生に一縷の望みをかけながら、ただ見守るだけの私たち…。
点滴をしたままあの手この手で体を温め続け、そうして1時間が過ぎた頃、体が少しずつ
動いて反応が出始め、なんとか体温計に33度の数字が!
さらにしばらくすると、体温が35度4分まで上がってきた。
まだ意識はないものの、これでどうにか回復の見込みが出てきたので、このまま入院
させるということで、私たちは気になりながらも先生にお任せして病院を後にした。
有馬へ行ってからも、ネコちゃんどうかなぁ〜と話していると、夕方先生から連絡を
いただき、意識も戻ってミャーミャーと元気に鳴き出して、割と安心できるくらいの状態に
まで回復してきたということだった。
まだ引き続きの治療は必要なものの、私たちもひとまずは安心。

さて一安心したところで、私たちには次なる問題が…。
夫は喘息を持っているため、猫には3プラスでアレルギー反応がありうちでは猫を飼う
ことができないのである…。

ネコちゃんを見つけて病院に連れて行くときには、もうとにかく助かって欲しい一心だった
ので、その後のことまで考える余裕はなかったものの、それは回復した後の大切な問題。

先生は自宅へ連れ帰り治療をしていてくださっていたらしく、連休中も回復の状況の
報告を入れてくださった。
とても人馴れしているので捨てられたんでしょうということ…。
そして、人懐っこくて顔も性格もとっても可愛いコですよとおっしゃった。

自力でご飯も食べれるようになり、すっかり回復して退院の目処も立ち、私たちも
心当たりのある飼えそうな方にいろいろと当たってみた…。

そして無事に、優しいKご家族に飼っていただくことが決まり、昨日娘と一緒に病院へ。
先生によると生後一ヶ月くらいだというネコちゃん、病院に連れて行ったときの体重は
標準の半分くらいしかなかったらしい。
迎えにいくと、この一週間弱であのときの様子からは見違えるように元気に、そして
大きくもなっていた。
新しい飼い主さんのもとへと向かう車の中でも、娘の髪の毛や携帯ストラップにじゃれ
ついて、その姿の可愛いこと。
こんなにも元気になって、本当に良かった…。

ご家族のもとへ着くと、既にネコ砂なども用意してあり、優しく温かく迎えてくださった。
ネコちゃんも早速甘えてじゃれ始めて…。
病院に迎えに行ったときに、先生は新しい飼い主さんに直接会っていないのでと、
気になる様子だったけれど、以前にも飼ったことがあって猫の好きな方であるという
ことを伝えると安心された様子…。
そして、このコは愛されると思いますよと、優しい眼差しでネコちゃんを見つめながら
おっしゃっていた。
昨日、家に帰ってからもいつまでも手に残るフワフワとした温かい感触…そして、
先生や飼ってくださるご家族…。
このネコちゃんを通してたくさんの優しさに触れて、私たち家族の心の中にも優しい
気持ちをたくさんいただいた、そんな子猫物語だった…。